経費って、結構色んな範囲に利用出来るのですが、コンサートとかライブなど、エンターテイメント性があるものに対して、経費になるの?!って方々、結構多いと思います。
そんなことを先日打合せをした社長さん(独り法人)から質問をされました。
私自身もコンサートへ時々行くので、今回の記事はとても親近感を持って書けることでもあります(笑。
コンサート(フェス)鑑賞のチケット代が経費になるのかの答え
コンサート(フェス)鑑賞のチケット代、経費で計上出来ると思います!
「えっ?!コンサートだよ?フェスだよ?それが経費で計上出来るの?!」
はい、出来ると思います(笑!
そのコンサートなりフェスなり、鑑賞する理由&動機によりますが、この件で利用出来る経費として3つほどあるかなと。
- 接待交際費
- 福利厚生費
- 研究開発費
でしょうか。
先日打ち合わせの際に質問を受けた社長さん(独り法人)の場合は、コンサート(フェス)鑑賞に行った理由&動機を聞いて「研究開発費」が当てはまると思い提案しました。
社長さんがコンサート(フェス)鑑賞に行った理由&動機は、ライブイベントをインターネットのサイトを通じて企画&運営するために、社長さんが企画しようとされているイベントのジャンルと近いアーティストやフェスをいくつか絞って回り、客層やグッズ販売の取り扱い状況やステージの模様などを直接見てリサーチしたい。というものでした。
社長さん、「へぇ~コンサート(フェス)鑑賞のチケット代って、経費で落とせるのか~」と、軽く驚いてらっしゃいましたね。
私思うんです。経費に計上出来るのか(もしくは計上していいのか)、計上出来ないのか(もしくは計上してはいけないのか)の判断基準は、「何に使った」ということ以上に「なぜ使った」にあると。
そのチケット代も仕事、事業、経営に関係する事であれば、ほぼ経費になりますよ!!
これは、普段お世話になっている複数の税理士さんや、司法書士さんとも認識を共有していることでもあります。
「何に使った」というのは、使いみちですよね。今回書いている記事の場合で言えば、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代です。
使いみちも経費計上する時の判断基準として必要ではあると思いますが、それぞれの法人さん・個人事業主さんで扱っている事業であったり、これからこんな事業をやりたい!など、その内容は様々です。
そういう中で「何に使った」という、使いみちのみを判断基準にすると、今回のように、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代のようなエンターテイメント系の出来事に対しては「それは仕事ではなく、遊びでしょ?」っていう、何となく世間で思われているイメージが先行してしまう可能性もあります。
なので~!
私は「なぜ使った」という事を、経費として計上するか否か?の判断基準として重きを置いています。要するに、それに対してお金を使った”理由と動機”ですね。
コンサート(フェス)鑑賞のチケット代のようなエンターテイメント系であろうが、今回相談を受けた社長さんのように、事業を企画&運営するために必要な理由であれば、「何に使った」という事に対して過度な心配をするのは不要だと思います。
確かに、この時点ではまだ~この企画は実現されていないので、その案件としての売上は発生していません。でも、売上が発生していないと経費で計上するのはNGなのか?!
そんな事はないと思います。どんな事業も下調べ&経過観察は不可欠です。その案件によって下調べ&経過観察をする内容はそれぞれあるでしょうけど、それぞれに必要な下調べ&経過観察をした上で、その事業を具体的に進めるか、または止めるか。などの判断をされていると思います。何の下調べ&経過観察もせずに新しい事業や今やっていらっしゃる事業を展開している法人さん&個人事業主さんなんて…いないですよね(笑?
なので、この項のタイトル「仕事・事業・経営に関係する事であれば、ほぼ経費計上出来る!!」なのです。
ま、「ほぼ経費計上出来る!!」の『ほぼ』ってのが、若干気になりますよね。
この『ほぼ』の意味は、2つの意味を持って書きました。
- 経費として使えるだけの資金(利益)がある
- 経費として使うに対して、社会通念上の感度を気に留めておく
ですね。
「経費として使えるだけの資金(利益)がある」については、もう書いたまんまです(笑。そりゃそうですよね。
2つ目に書いた「経費として使うに対して、社会通念上の感度を気に留めておく」これは・・・少し面倒臭い言葉が入ってます。
はい、『社会通念上』って言葉。
私、この言葉…大嫌いです(笑。
でもね、悔しいかな、、悩ましいかな、、この感度は必要なんですよね。これについては、別に項目を設けて書いてみたいと思います。
コンサート(フェス)鑑賞のチケット代が経費OKになる3つの費目はこれ!
更に話を進めていきますね。
コンサート(フェス)鑑賞、鑑賞する理由と動機によりますが、この件で利用出来る経費として3つほどあげました。
これらについてそれぞれ書いてみたいと思います。
接待交際費
経費の中で、それなりの割合を占める、”THE 経費”とも言える1つが、接待交際費です。
接待交際費は、事業に関係する人との飲食や交際全般に利用する経費です。
今回の記事に書いているコンサート(フェス)鑑賞のチケット代も、接待交際費として利用出来るものだと思います。勿論、それが貴方の会社に売上なり~お得な情報なり~知識なり、それらが見込める場合という意味です。
コンサートやフェスが行われる場所として、東京ドーム、横浜アリーナ、さいたまスパーアリーナ、日本武道館、その他野外も含めて大きな会場がありますよね。そして、真逆のスペースとしてライブハウスなども日本全国に沢山あります。
社交場として使われることに違和感のない、ライブレストランなどもそうでしょう。東京・青山にあるブルーノート東京などは、その一つではないでしょうか。
接待交際費は、あくまで「そのお金を使うことで、貴方の事業に有益なものを得られる」というのが目的です。それを叶えるための手段として、コンサート(フェス)鑑賞が役に立つのであれば、堂々と利用されれば良いと思います。
接待交際費、個人事業主さんは、その全額を経費として計上(税務上の損金計上も含む)出来ます。勿論、接待交際費として認められる条件の中でです。
※2020年1月現在。
そして、法人は上限が決まっています(笑。
資本金が1億円以下の法人は、年間の上限が800万円。
資本金が1億円以上の法人は、年間に使用した接待交際費の50%分。
※2020年1月現在。
です。
接待交際費については、上記だけでなく色々注意点などあるのですが、今回の記事の主役は接待交際費ではないので…ここまでの記載としておきます。
福利厚生費
福利厚生費は、社員さんの福利厚生について利用する経費です。
福利厚生費の対象は「社員」であり、社長や役員ではありません。なので、独り法人の会社さんは、福利厚生費という経費は発生しませんね。因みに…私の会社も独り法人なのでそれに該当します(笑)
社員さんがいる会社さんや個人事業主さんであれば、社員さんの福利厚生を目的とした事について福利厚生費を利用出来ます。この際、社長さんの分も福利厚生費に含めることが可能です。社員さんと一緒なので。
社長さんや役員さんだけでは使えません。逆に、社長さんや役員さんはいないけど・・全社員さんが集まって懇親会をやった場合は福利厚生費を使えると思います。
福利厚生費のメジャーなものとしては~
- 全社員対象の健康診断(この場合、社長や役員も受診可能)
- 全社員が参加するような社内行事(この場合、社長や役員も可能)
- 社員さんや社員さんの家族への慶弔金
などでしょうか。
研究開発費
今回、相談を受けた独り法人の社長さんに提案したのが、この研究開発費です。これも字の通り、事業を開発するための研究費ということになりますね。
「仕事・事業・経営に関係する事であれば、ほぼ経費計上出来る!!」の項でも書きましたが、事業をするために下調べ&経過観察は不可欠です。私も新しい事業を考える際や、今やっている事業を今後も続けていくかどうかの判断をする時など、必ずそれに値する下調べ&経過観察をします。
それら下調べ&経過観察に必要なお金を、研究開発費として経費計上しているのです。
相談を受けた社長さんが、コンサート(フェス)鑑賞した理由は、まさに研究開発費に該当すると思いました。なので、この経費を提案したのです。
私が調べた中では、研究開発費について、その回数や頻度などについて明確な制限はないと思われます。
しかし、だからと言って無意味にジャンジャン利用して良いものではありません。遊びで行くコンサート(フェス)鑑賞であれば、それはご本人のお小遣いで行くのが健全だと思います。
くどいようですが、経費は事業に関係する事にのみ利用するお金ですからね^^
・・・
でも、、同時に思います。
独り法人でも個人事業主でも社員さんがいらっしゃる法人も、それぞれの経営者の方々って・・・やること成すことご自身がされている事業に繋げて物を見たり考えたりしていませんか??
僭越ながら、、私もそうです。
決して良い事とは思えないのですが、従業員の頃とは脳ミソの構成が全く変わってしまったんですよね。
別に経費を使う言い訳とかではなく、実際そうである事も事実なんです。なので、研究開発費として計上するに値することであるなら、そこは堂々と利用して良いと思うのです。
全ては、事業の成功のために。
経費として使えるのは、それだけの資金(利益)があるのが大前提ですから、そこは揺るがせないようにしましょうね(笑!
社会通念上。という不明確だけども、必要な感度について
上記にも書きましたが、社会通念上って言葉が嫌いでですね。なんじゃそれは!って感じなんですが、ですが(笑・・その感度は必要であるのも事実やと思っています。
要するに「照らし合わせる物差し」と言えばいいんでしょうか。
例えば、今回の記事に書いている、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代を経費に計上するという事について。もし、私自身がその当事者だった場合、私自身はそれが必要であると分かってやっています。
更に言えば、一度コンサート(フェス)鑑賞へ行って、下調べ&経過観察として不十分なら、それが必要なら、そしてそれをするのが可能なら、またコンサート(フェス)鑑賞へ行くでしょう。5回見に行くのが必要だと感じれば、5回見に行くでしょう。そこに躊躇はありません。それに関わる事業に繋げたいのですからね。
一方で!
真逆からそれらを見た時「本当にそのコンサート(フェス)鑑賞は必要なのか?コンサート(フェス)鑑賞に5回も行く必要があるのか?」という、視線はないでしょうか?
個人的に、その視線(役目)を果たしているのが、税務署ではないかとも思っていたりしています(笑。
もし、貴方の会社に税務調査があったとします。
税務署の職員さんは対象となる期間について、各種内容を確認します。その中で、今回の記事に書いたような事案「コンサート(フェス)鑑賞のチケット代」を見つけたら。税務署の職員さんは、それについて質問してくるかもしれません。
「この経費はどういった内容のものですか?」と。
そこで登場するのが「社会通念上~」ってヤツだと思います。
税務署の職員さんは、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代を経費にした理由や動機や意義を知りません。そこで、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代を経費にした事について、明確な理由や動機や意義を持った上で利用していれば、しっかり説得力のある説明が出来ると思うのです。
私達側からしたら、滅多に税務署の職員さんと接することはありません。しかし、税務署の職員さんは、しょっちゅう私達側の人と接しているのです。
そう、プロなんですよ(笑。
なので、それが社会通念上の範囲に入っているのか、もし社会通念上の範囲を少し超えていても?!それは確かに必要な事であると分かって頂ければ、税務署の職員さんは「分かりました」と納得してくれると思います。
その場で言葉を取り繕っても、説得力は生まれません。行動を起こす最初の時点で、コンサート(フェス)鑑賞のチケット代を経費にする理由と動機と意義を持っているからこそ、説明した時の説得力が生まれると思います。
社会通念上。という言葉。
大嫌いではありますが、必要な感度であるというのは、そういう意味なんです。
まとめ:コンサート(フェス)鑑賞のチケット代を経費として使う理由、動機、意義を明確にしよう!
今回の記事、如何でしたか?
“エンターテイメント繋がり”って事で、映画鑑賞や水族館や遊園地などもありますよね。私は基本的にこれらの利用についても今回書いた記事と同じ事が言えると思っています。
以前、ネット広告やWEBサイトについて勉強した事があって、その時ある商材を対象にしたことがあります。その商材、私の手元には無かったモノでした。でも、その商材について勉強するのであれば、その商材が必要ですよね。
何も分からないのに、その商材のことについてリアルな表現は出来ませんから。なので買いましたよ、それを。その商材を買った代金は研究開発費として経費計上しました。
その後、それはどうなったか?
残念ながら、その商材についての成果(売上)を得ることは出来ませんでした(笑。 しかし、それがキッカケとなり、今も勉強を続けています。新しい事業の一つとして、今後成り立たせたい案件となっています。
なので、その時に利用した研究開発費は、今も立派に活かされているんです。