一人経費

これら、仕事に関わる事なら経費に出来ると思います。その他、スポーツ用品を買った、コンサート・遊園地・水族館・動物園・映画館へ行った、などなど。

前回、コンサート(フェス)鑑賞が経費に出来るのか?!っていう記事を書きました。

https://ekeiri.com/blog/expense/ticket-keihi/

この記事を書いた時に登場した経費科目の1つが「研究開発費」でした。記事を読んだ個人事業主をしている知人から「研究開発費とか初めて知った」と言われましてね。

そこで、取引先の経理担当者さんや独り法人の社長さん、個人事業主さんに研究開発費の存在を聞いてみたところ、意外と研究開発費の存在って知られていなかったんです。

前回の記事で研究開発費はすでに書いたのですが、それは記事のお題となった、コンサート(フェス)鑑賞を経費に出来るのか?という中で、経費に選択出来る科目の1つとして登場したものでした。

なので、今回は研究開発費を主人公にして書いてみたいと思います。

研究開発費、利用できる範囲は結構広いと思いますよ。

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まず、研究開発費ってナニ?!

ですよね(笑。

「研究開発費」という、この科目に答えが書いてあるとも言えるんですけどね(笑。

仕事、事業、業務、作業、まぁ~言葉は色々ありますが、これらを始める時や展開している時って、ある欠かせない事がありますよね?

それは何か?!下調べ、経過観察、など様々なリサーチです。

何か新しい事業を始めたいな~って思ったとします。その事業についてすでに何もかも熟知していて、全ての条件や環境が揃っているのであれば・・・この話はここで終了です(笑!

大抵は、新しく始めたいと思うその事業について、様々な下調べをされると思うんです。どんな下調べをするかは、その事業の内容にもよりますし、下調べをする人にもよりますし、場所にもよるでしょうから、そりゃもう~多岐に渡りますね。

多岐に渡る、それぞれに必要な下調べに対して、最も活用出来る経費が研究開発費だと思います。

下調べの他、展開中の事業が節目を迎えた時は、経過観察もされるでしょう。その事業がどんな推移で展開されているのか、展開している方向性がズレたりしていないか、などなど、このリサーチも事業をしていく上で欠かせないですよね

その経過観察の内容や結果によっては、その後の展開にも大きく飛躍させるために影響していくでしょうし、全く逆の・・もしかしたら、、その事業を一旦停止したり、断腸の思いでその事業を止めたりする事もあるかもしれません。

継続するにしても、一旦立ち止まるにしても、これら経過観察というリサーチをした事で判断出来るワケです。こういう経過観察に使用した経費についても、研究開発費として利用出来ると思います。

どんな下調べや経過観察などのリサーチが研究開発費に出来るのか?

乱暴に言ってしまえば・・その事業に関わる事なら何でも研究開発費になると思います。

って書いてしまうとね、、この項目の問いに対する答えとしては大雑把なので、記事のタイトルにも書きましたが、いくつか例を作って書いてみますね。

一人でカフェ(喫茶店)やファミレスを利用した

打合せの飲食は会議費(一人あたり5,000円以下)という経費科目がありますが、一人の場合は基本~会議費は利用出来ません。相手がいてこその会議ですからね。

一人でカフェ(喫茶店)やファミレスを利用しているんだけど、そこでSkypeやメッセンジャーを使って誰かと仕事の話をしている場合は、会議費として使っても大丈夫だと思います。

相手(実体、バーチャル込)がいない場合、各種業務・打合せの準備や打合せ後の取りまとめなど、こういったことをするために一人でカフェ(喫茶店)やファミレスを利用される事もありますよね。私もあります。

こういうケース、研究開発費が利用出来ると思います。

一人で旅行した

こんなコンテンツを企画・運営し、そのコンテンツから広告収入を得たいと思ったとします。

「京都の超マイナーな神社仏閣 でもそこはとんでもない超メジャーな歴史上の人物や今定番のルーツが絡んでた!」みたいなね(笑。

そのコンテンツを作るには、超マイナーなんだけど~実は超メジャーな…っていう神社仏閣を探さなければいけません。ま、それはインターネットでいくつか探すことは出来るでしょう。

でも~!

やはり、現場に行ってこそ分かること、現場に行かないと分からないことってありますよね。

すでに他のコンテンツに載っている情報と同じような事を掲載しても、他のコンテンツとの差別化が生まれません。

そのためには、ご自身がそこへ行って、その場所の空気感も含めてリアルな情報をより多く、より正確にリサーチする必要があります。

てことは?

はい、京都へ行かない理由がないですよね(笑。

とはいえ、京都への往復交通費は、研究開発費ではなく・・旅費交通費を利用して下さいね!

では、何を研究開発費に??

リサーチするのですから、例えば目的の神社仏閣を詳しく見学するには中に入りたいですよね。その神社仏閣に拝観料があるなら。その拝観料は研究開発費として使って良いと思います。超マイナーな神社仏閣であれば、拝観料が要らないトコがあるかもしれません。それはそれでラッキーです。

そして、超マイナーな神社仏閣なので、その周辺には旅行客にあまり知られていないけど、実はとても美味しい甘味処や、絶景スポットがあるかもしれません。

気になる甘味処があれば、実際に食べてみないとですよね?!店内の様子やその甘味の味など、メモしたり写真を撮ったり、やること満載ですよ!

それらのお代も、研究開発費として利用出来ると思います。

楽器を買う

プロのミュージシャンなら、楽器を買うというのは何の問題も無く必要経費で落とせますよね。インタネットコンテンツのデザイナーさんがデザインをするのに使うソフトを買うのと、姿形は違えど意味は同じです。

プロのミュージシャンでない人が楽器を買う場合、その多くは趣味ですよね。趣味は…お小遣いで買います(笑。

でも?プロのミュージシャンでなくとも、楽器を買う理由が100%趣味とは限りません。

例えば、広告収入を得たり、自身が運営しているコンテンツを知ってもらうための宣伝ツールとして「You Tubeチャンネルを開設しよう!」と、思ったとします。そのチャンネルで「超絶分かりやすい!歌って伝える経理業務入門!」という番組を企画したとしたら。

経理業務のノウハウをどのくらい歌うのかは別として、歌って伝えるという事なので、歌うなら~伴奏の楽器が必要だ!と、なります。ま、アカペラでもいいんでしょうけどね(笑。

そこで、伴奏する楽器としてギターを選んだとします。ギターを多少でも弾けるのであれば、余計にいいですよね。

しかし、ギターは持っていない。。

なら、ギターを買わない理由がないですよね。ギターを買うお金、これ研究開発費を利用できると思います。ギターを買い、それを使うことでアナタが企画した番組が実現するのですから。

その番組が人々の興味を引き、再生回数が増えていけば、狙い通り広告収入を得ることも出来るし、自身が運営しているコンテンツなどが他にもあれば、そのコンテンツを知ってもらうための宣伝ツールにもなったりもするでしょうしね。

とはいえ、この企画で使うギターは、必ずしも高価なギターでなくて良いでしょうから、そこは「社会通念上」という感度をスマートに持っておく必要があると思います。

「これから新しい事業を始める=まだ売上が出てない」のに、研究開発費として経費に出来るの?

新しく始めようとしている事業の場合、まだその事業は始まっていないので…当然売上は出ていませんよね。

でも冒頭の項でも書いたように、新しく事業を始めるために下調べは不可欠です。事業に関して不可欠な事、事業の研究や開発に対して使ったお金を経費にするのは、それが社会通念上の範囲内であれば間違っていないと思います。

更に加えると!

新しい事業を始めようとして、下調べしてみた結果、その事業に手を付けるのを一旦止めようとか、白紙に戻そうとか、そういう判断になった場合。それまでに使った下調べのお金は研究開発費にしてはいけないのか?ってなりますよね。

そんな事はないと思います。下調べした結果、その事業をやらないという判断にはなったけど、下調べをしたそれらのお金は紛れもなく事業に関する事で使ったお金ですから。もし…無謀にも下調べもせずに新しい事業に手を付けて、必要な備品や設備にお金を使い~結果失敗してしまったら。。下調べをしていれば事前に気付けたかもしれないとしたら…それこそ下調べで使うお金の何倍も失ってしまう事にもなりかねません。

もし、それらについて心配をされているようなら、新しい事業を始めようとした時の企画書やメモや書類を「根拠」として保管しておくのも良いと思います。

何のために??

税務署の方に説明する場面があった時のためです(笑。

まとめ

如何でしたでしょうか。いくつかの例も作って研究開発費についての今回の記事でした。

前回の記事と今回の記事、研究開発費という経費科目で書きましたが、研究費でも開発費でも事業研究費でも事業開発費でも開発研究費でも、それぞれOKだとは思います。研究開発費という言葉には「研究」と「開発」という、新しい事業について下調べをしたり、展開中の事業について経過観察したり、それらの各リサーチを表しているので、この言葉を経費科目としました。

実際、事業に関して必要な書籍や新聞を購入した場合、私は「新聞図書費」という経費科目で経費にしていますが、「図書研究費」という科目を使っている会社さんもあります。その経費がどんな内容のもであるか分かれば、大丈夫だと思います。

経費科目の中に「雑費」というのがありますが、これは…どの経費科目にも当てはまらない、本当に雑用的な経費で、使い道や使った理由が曖昧な印象を持たれる経費かなって。個人的には雑費ではなく、その経費科目を見た時に、使った内容なり方向性なり性格が分かるものが良いと思っています。

新しい事業のために会社の大切なお金を使うのですから、その研究開発費が最大限の効果を得られるよう、有効に利用して下さいね!