「コロナ禍だろうが何だろうが、私の会社は生きてるんですよね」

かなり久し振りに書く今回の記事になります。訪れて頂き有難うございます。

先日、知人の紹介で初めてお会いした、独り法人を経営する社長さん(以降、Tさんとします)と打合せする機会がありました。

冒頭の言葉は、Tさんが打合せの中でおっしゃった説得力に溢れる言葉として、今回この記事を書くきっかけとなりました。

Tさん、ご自身の会社の経理業務を任せる人材を探していました。

これまで独り法人で経営されていて、経理は起業されて以来ご自身でされているのですが、一昨年(2019年)の後半くらいから経理業務を誰かに任せたいと感じるようになっていたそうです。

しかし、その時は誰かに経理業務を任せるには至らず、引き続きご自身でされてきました。

そして2020年。

コロナ禍の状況になって、業務上様々な事に目を向け気を配り、取引先の方々との情報交換や必要な連携などに追われ、数カ月間経理業務に手が回らなくなっていたそうです。

ご自身の意図しない状況で、これまで担ってきた一連の仕事の流れに穴が出来るようになると、思わぬ危険に陥る可能性も生じてきます。

Tさんは、それを強く実感されていたようでした。

コロナ禍で、多くの業種・会社さんが苦境を強いられていますが、そんな中でも逞しく奮闘している会社さんは沢山いらっしゃいます。

経理業務の重要性について、そして~経理業務を誰に任せるか?!という事について、Tさんと同じような考えをお持ちの方がきっと他にもいらっしゃるのでは?!と感じたのです。。

そこで、現状~経理業務を任せる人材が不在の小規模法人さんや独り法人さんにとって、微力でも参考になる記事を書こうと思いました。

コロナ禍だろうが何だろうが、その会社が生きているならば~会社のお金も当然動いています。という事は~経理は欠かせない業務の一つという事を意味します。

取引数や業種、年商によっても様々だとは思いますが、小規模法人さんは、企画・立案・営業・経理、これらを少人数で、独り法人さんは~まさにお一人で担っている事になります。

外注でこれらを依頼している小規模法人さん・独り法人さんも多くいらっしゃいますが、経理についてはどうでしょうか。比較的フォローが後回しになっているケースが少なくないように感じています。

経理業務そのものはお金を生む業務ではありませんが、貴方の会社のお金が動いているなら、経理業務を担う人材なりツールは必須です。

会社はお金を生む(売り上げを立てる)のが最優先でありながらも、それだけでは心許ない状況に遭遇する事があります。生まれたお金をしっかり管理しなければ、「えっ?」って感じでお金が減ってしまったり、損をしてしまったりする場面もあるからです。

いくつかの例をあげながら、少しでも参考になるような流れで書いてみようと思いますが、より興味の強い箇所から先に読んで頂くのもアリだと思うので、ご自由にご覧下さい。

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経理代行:手っ取り早く経理の基本的な処理を任すには最適です!

私にとって~
「代行」は依頼主から依頼された事について、しっかり責任を持って行う。

これが基本的な概念です。※あくまで個人的な意見です。

「経理代行業者さん」なので、一般的には社員ではなく、経理代行費用として支払う外注さんという立ち位置になります。

経理代行業者さん、結構沢山あります。そして、かなり安価で請けてくれる経理代行業者さんもいます。

依頼する条件の例として

  • 経理処理する量の目安として、月に ~100項目くらい
  • 自社の年商、~1億円くらい
  • 代行費用の目安として、~10万円/月まで
  • 取引がシンプルで、処理する内容も割と分かりやすい
  • 独り法人か、従業員がいる場合は1人くらい

上記のような感じであれば、経理代行業者さんに依頼するというのが有効な選択肢の一つになり得ると思います。

経理代行といっても、経理の基本的な処理のみを依頼する場合もあれば、割と広範囲での経理業務を依頼し、請けてくれる経理代行業者さんもいます。

経理代行業者さんは、経理の事に関して必要な知識全般を持ってらっしゃるので、大抵の処理は問題ないと思いますが、必要に応じて説明などする場面も出てくるかもしれないので、そこはしっかり必要な連携をして下さい。

経理担当(常勤・非常勤):経理業務の専任として、しっかりと貴方の会社を支えます!

私にとって~
「担当」は属している組織から自身が任された仕事全般について、自発的に考案・提案したり、必要な確認をし合いながら、任された仕事の攻守を責任を持って行う。

これが基本的な概念です。※「代行」と同様に、あくまで個人的な意見です(笑)

そして「経理担当」は、経理代行業者さんのような外注ではなく、常勤・非常勤問わず、報酬は給与として支給する社員という立ち位置になります。

常勤の場合は、平日営業している日時は従事している会社員なので、特にここで深く掘り下げる事はないですよね(笑)

それよりも、非常勤に着目する方がこの項には有益かと思います。

非常勤は、常勤してもらう程ではないけど、あくまで社員(身内)として、経理を専任従事して欲しい場合に検討可能な雇用体系になると思います。

非常勤の社員に対する目安として~

  • 経理処理する量の目安として、月に0~200項目くらい
  • 自社の年商、~1.5億円くらい
  • 給与の目安として、~10万円/月くらいまで
  • 独り法人か、従業員がいる場合は1人~3人くらい
  • フル勤務(出社・リモート込)は、週1くらい
  • フル出社以外は、必要なケースに応じて1時間/1実務くらいで収められる

上記のような感じであれば、雇用する会社と雇用される非常勤社員の両者にとって、有効な選択肢の一つになるのではと思います。

これらを上回ったら、即~「非常勤に向かない!」とまでは言いませんが、互いの(もしくはどちらかの)メリットが薄くなるように感じます。

雇用する側の会社にとっては、社員という身内の立ち位置でありつつ~仕事の質量に対して、また福利厚生に対して、余剰を省いたアグレッシブな体系として、非常勤には一定のメリットがあると思います。

一方、雇用される側である社員にとっては、非常勤の仕事のみでは生活を営むに十分な収入にはならないと思いますが、複数の仕事を抱えている人は仕事の質を保ちながら、ある程度時間の融通がきく就労が可能になります。また、パートタイムでの就労を望んでいる人にもメリットがあると思います。

税理士:税務の専門知識と情報を持つ、心強いアドバイザーです!

税理士さんは、上記に書いた「経理代行」「経理担当」の、どれにも当てはまらないポジションの人材です。(サービスの一環として、経理代行を請けている税理士さんもいます)

小見出しにも書いた通り、税理士さんは本当に心強いアドバイザーです。

私にとっても勿論そういう存在で、お世話になっている税理士さん達、みなそうです。というか、そういう存在でない税理士さんがいるとしたら…お世話になりません(笑)

そんな心強いアドバイザーである税理士さんですが、私が関わっている会社さんの全てが、税理士さんへ顧問を依頼しているというワケではありません。

小規模法人や個人事業主は、事業規模として、顧問を依頼する程でないというケースも少なくないので、そういう場合は顧問では無く、案件ごとにスポットで依頼しています。

税理士さんが「本当に心強いアドバイザー」という理由は!

税務に対する高く揺るぎない知識と、豊富な情報です。

経理担当として会社に従事している人にとっては、その会社で起こっている事が全てになりますが、税理士さんは多種多様な顧客と繋がっているので、多面的なその知識と情報量は圧倒的ですらあります。

そして、税法って…日常の中で地味に改正・改訂されたりしているんです。大きな事案だとニュースで取り上げられたりしますが、そうでないケースも多々あります。

もし、常勤の経理担当として従事する社員がいたとしても、地味に改正・改訂される税法にその都度気付くのは・・ほぼ無理ではないかと思います。

その点、税理士さんは税務のプロとして、税理士さん個人でも~所属している税理事務所でも~税理士さん同士のネットワークでも、これらをチェックしています。

改正・改訂されている税法が、貴方の会社に関係していなければいいのですが、関係している事であれば、それらの情報ってキャッチしたいですからね。

それぞれの人達と必要な連携を欠かさないのが大切です!

経理代行、経理担当、税理士、これら~それぞれの立ち位置や役割に応じて、意思の疎通は図っていて欲しいです。

例えば、税理士さんは「税務のプロ=経営のプロ」という図式ではありません。その税理士さんご自身が税理事務所を運営されているなら、税理士であり経営者でもありますが、貴方の会社を経営するに足りる全ての状況を把握しているワケでは無いという事です。

もし、貴方の会社が税理士さんに顧問を依頼するとします。

お金の流れは帳簿で把握出来るとして、今、そしてこれからどんな事業展開を目指しているか、現状取引しているクライアントの実情はどうか、そんな事業の企画・営業・目論見、などなど、必要な事を税理士さんと共有しておくと、税理士さんもそれらを加味してお金の流れを見てくれます。

私が懇意にして頂いている税理士さんは、その会社で働く人のコンデションにも、さりげなく気を配っています。「働いている人が心身ともに好調である事が、その会社の健康に繋がる」という観点からなんです。

税理士さんは、貴方の会社の社員ではありませんが、事業の核となる事を共有するに十分値する人です。

中小の法人は、縦割りの経理業務では勿体無い!

大企業であれば別ですが、中規模・小規模の法人や個人事業主で経理として従事するなら、縦割りの仕事姿勢ではなく、「自身の会社は、何を商材に扱っていて、それを誰がどのように動かしてお金が生まれているのか」という、会社の活動内容をしっかり把握しておくべきだと思います。

自身の会社がどういう活動をしているのか、それを知っていると知らないでは、経理業務をする上において、かなり変わってきます。

え?そんなの当たり前でしょ?

であるなら、頼もしさを込めて「大変失礼しましたー!」です(笑)

まとめ

今回の記事、私がTさんと打合せをした事で感じた経理業務の重要性や、その経理業務を誰かに任せるという事に対する考えに基づいて書きました。

経理代行を依頼する、経理担当を雇用する、税理士に顧問orスポットを依頼する、どれも0円ではありません。

経理業務はお金を生み出す仕事ではないバックオフィスなので、依頼や雇用を維持していくための資金繰りが重要になります。

それぞれの費用や人件費については一律**円ではないので、求める業務内容と合わせて比較されるのも良いと思います。

独り法人で経営されている方、経理業務を誰かに任せたいけど・・その費用&人件費が現状では捻出出来ない状況であれば、先ずは今を生きていくための経営努力を続けながら、ご自身で経理業務をしていくという形になると思います。

それでも、これまでされてきた経理業務のやり方やペースを改善出来る余地があれば迷わずして欲しいです。

私自身、起業して現在7期目を走っておりますが、一昨年(2019年の秋頃)、業務改善にトライして~それ以降新しい事案を考える&取り組むリソースを作れたり、既存の事業についてもサービス向上を図れたりしています。

今回の記事を読んで頂いている貴方が、Tさんと同じような考えであったり、誰かに経理業務を任せたいと思ってらっしゃるなら、それはトライに値する良いタイミングなのかもしれません。

2021年も、コロナ禍の厳しい状況に揉まれてますが、私自身もそれに飲まれて消えないよう逞しく進んでいきたいと思います。

どうか、貴方の会社も奮闘と存続を今後も続けていけるよう、逞しく進んで頂きたいです!

また、新たな記事で訪れて頂けるのをお待ちしております。