「費用」「損金」「経費」の意味と違いとは!?わかりやすく徹底解説!

バタバタしている毎日を過ごしていた昨年の暮れ、とある会社の経理担当スタッフさんに質問を受けました。

「NAOTOさん、『費用』と『損金』と『経費』って…それぞれどういう意味で、ナニが違うんですかね~?ネットで調べてみたんですけど、、よく分からなくて。。」と。

おぉ~なーるーほーどー。
確かに3つとも「支出したお金」として、広い意味で共通してはいますけどね。

それぞれの意味と違い。
それぞれの意味が分かれば、おのずと違いは分かります。

という事で!
今回の日記は、費用・損金・経費 それぞれの意味と違いについて超分かりやすく&丁寧に書いてみようと思います。

超簡単に!と言いたいトコロですが、あまりにも簡単に書くと…結果的に「よく分からない」になってしまうかもしれないので、超分かりやすく&丁寧を心がけて書きます。

少し長くなるかもしれませんが、ゆっくり読みながらお付き合い下さいね☆

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その1:費用ってナニ?!

まず、費用ってナニ?!について。

費用。
これは会計上の用語です。

「費用は『経済的価値の減少』である」として、会計上で費用の事を指しています。

会社で支出したお金は、金額の多少・支出した回数にかかわらず、すべて何かしらの費用になります。

但し、減価償却費のように実際にお金の支出が伴わないケースも一部ありますけど。

会社で支出したお金は、100%事業に関するお金(直接・間接含め)なので、「費用とは事業に関して支出したお金である事」が、費用となる条件である!って言えるかと思います。

費用の意味は広いです。
会社で支出したお金は一先ず『費用』となるので。最後に『費』と付く名称、沢山ありますよね?それら、支出した内容って全く違ったりしてるでしょ?

『経済的価値の減少』とは??

この項の冒頭に「費用は『経済的価値の減少』である」と書きました。

この言葉、会計の書籍やネットで費用の事を検索すると、ほぼ全ての書籍・ネットコンテンツで記述されています。

『経済的価値の減少』ってナンでしょう~?

先ず、「経済」という言葉の意味を下記に書きます。これを前提に例をあげて考えてみますね。

経済とは?

  1. 生活に必要な財貨・サービス を生産・分配・消費する活動。また、それらを通じて形成される社会関係
  2. 金銭の やりくり

です。
経済の意味を踏まえて、更に下記へ。

会社である商品を現金で購入(仕入)したとします。

会社で支出したお金なので「費用」になります。それと同時に、現金で商品を購入(仕入)したので~資産の一部である現金が”減少”しますよね。会社にとって資産とは、将来収益をもたらす”経済的価値”があります。「費用」はその収益を得るために費やされるお金。
なので、「費用は『経済的価値の減少』である」と書かれているんです。

どうですか?
一回読んで「んーー」であれば、何度でも繰り返し読んでみて下さい☆

その2:損金ってナニ?!

さて、次は損金について。

損金。
これは税務上の用語です。

損金という言葉が使用される場面は限定されています。

法人税の計算上、収益(利益)から差し引くことが出来る費用を「損金」と言うのです。

そうなんです!
会社が支出した「費用」が全て損金に出来るかどうか?は、別の話になるワケです。費用の内容によっては、損金に出来ないケースもあるという事なんですよね。

損金に出来ないケースとは?!

例えば~
交際費、役員給与、保険料、減価償却費、など、損金に出来なかったり制限があったりします。

更には~
不動産賃貸の保証金、開発費などの繰延資産など、損金に出来るルールが決められているもの、前払い費用のように損金に出来る時期が決められているものもあるのです。

「損金」と呼ばれるには、それに値する条件をクリアする事が必要!

会社で支出した事業に関するお金を全て「費用」と呼べることに対して、「損金」と呼ぶには、それに値する条件をクリアする必要があるんです。

なぜ、損金という言葉にクリアすべき条件があり、使用する場面が限定されているのか?
この項の冒頭に書いたように、法人税の計算で収益から差し引けるお金かどうか?というのが理由です。

損金が大きければ、その分収益から差し引けます。法人税は、収益から損金を差し引いたお金に応じて課税される税金です。

そう、損金は節税対策に繋がる性格を多分に持っているんです。

なので、「費用=損金」ではナイのです。

その3:経費ってナニ?!

最後に経費について。

経費。
これは、費用と同様に会計上の用語ですね。

「経営費用」という言葉を略した言葉だったと思います。

経費も、会社で支出したお金を指しているので、費用と似ているかもしれません。

でも、日常の中で「これ、経費に出来る?出来ない?」という言葉を使う場合、売上に直接関わる費用に対してはあまり使わないですよね。間接的な費用(交際費、物品費、交通費など)に対して使うケースが多いのではないでしょうか。

なので、経費という用語は「費用」と同じく意味が広い言葉と言えるでしょうね。

そして、その状態によっては「費用」と同じ意味になったり、「損金」と同じ意味になったりもします。

一つ例えてみましょう。
経費は会計上の用語、損金は税務上の用語ですが、かかった「経費」が「損金」と呼べるに値する条件を満たしていれば、その経費と損金はイコールの意味になりますよね。

まとめ:似て非なる『費用』と『損金』と『経費』

今回の日記、やはり長くなっちゃいましたね(笑。。

如何でした?
『費用』と『損金』と『経費』について、それぞれの意味と違いについて、お伝え出来たでしょうか~!?

これでも、それぞれの全てについて書いてはいません。損金について言えば、損金算入・損金不算入などには全く触れていないので。。

今回の日記を書くきっかけとなった、とある会社の経理担当スタッフさんからの質問も、これらの事をお伝えし、有り難い事に分かって頂けました。

文章を読むのと違い、直接話せるのは伝達力強いですからね~。

これを読んだ皆さんに、少しでもお伝え出来ていればいいのですが。