今回の日記は、「わっ、面倒臭そうだな~」って思われる方がいるかもしれません。

法人と個人(フリーランス)との取引で、法人⇒個人へ支払う報酬・料金に発生する源泉徴収についてです。

これ、結構な法人さん(特に小規模法人)が苦慮してる噂を聞きます。

今まで何度か、個人(フリーランス)へ支払う報酬・料金に発生する源泉徴収についての問い合わせが、いくつかの法人からありました。

  • この業務に対する報酬・料金は、源泉徴収する義務があるのか?ないのか?
  • 少額の報酬・料金に対しても、法人がわざわざ源泉徴収(すなわち少額の源泉徴収額)して納税しなければいけないのか?

上に書いた2つが特に多い問い合わせだったかな~って。

そこで!
今回は上に書いた後者の方、
「少額の報酬・料金に対しても、法人が源泉徴収(すなわち少額の源泉徴収額)して納税しなければいけないのか?」についてに書いてみようと思います。

あ、「そもそもナンで法人が源泉徴収しなきゃいけないの?」っていう超ストレートな問い合わせもありましたね。この答えにもなる今回の日記だと思います。

とても大切な事を書く予感満載です。
個人(フリーランス)へ報酬・料金を支払っている法人さんは必見です!

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一部を除き「法人が源泉徴収して納税する」が、”義務”として明確に決められている

法人⇒個人(フリーランス)へ報酬・料金を支払った場合、法人が源泉徴収する必要があるのはどんな内容の報酬・料金なのか、更にどの報酬・料金についてはいくら以下なら源泉徴収しなくてもいいか、それぞれ所得税法で決められています。

これから書くのは、法人と個人(フリーランス)で取引をして、法人⇒個人(フリーランス)へ報酬・料金を支払った場合、【その報酬・料金に対して法人が源泉徴収して納税する必要がある場合】について話を進めていきますね。

この場合、法人が源泉徴収して納税する”義務”があるんです。

例え少額でも、法人が源泉徴収して納税する”義務”に変わりはありません!

これね、法人側に立つと気持ち分かるんですよね。もし、報酬・料金に対する源泉徴収額が数百円だとしたら・・・。

たった数百円の納税をするのに、仕事が忙しい中をわざわざ銀行へ行くのか?!って。。納税する金額に対しての”費用対効果”・・・超悪い!って(苦笑。

個人へ支払う報酬・料金で源泉徴収するのが義務付けられていながらも、一定額以下の場合は源泉徴収の義務が無いものもあります。

それ以外で義務付けられている報酬・料金については、報酬額&源泉徴収額の多い少ないに関係なく、法人が源泉徴収して納税しなければいけないのです。

いつまでに?
その報酬・料金を支払った翌月の10日までに納税するのです。
(一部の報酬・料金(税理士や弁護士など)については、法人の状態に応じて別の納税期日が設定されています)

ナンで法人が源泉徴収しなくてはいけないのか?!

この項に書いたタイトルのままの思いを持ってらっしゃる方々も多いのではないでしょうか(笑。

内心、、私もその一人だったりしてね。。

支払う報酬・料金、受け取る側にとっては所得となるので、所得税を源泉徴収するワケです。

所得税は、「申告納税」と「源泉徴収」の2つの納税制度があります。

取りっぱくれを防ぎたい!

個人(フリーランス)は、個人事業主ですから、年に一度の確定申告で申告納税する事になります。

申告納税は、字の通り自己申告して納税します。
自己申告なので、、とても乱暴な言い方をすると・・ごまかそうと思えばごまかせちゃいますよね。。

国からしたら”取りっぱくれ”になっちゃうので、キレイな言い方をすると「適正な納税にならない」のです。

それを防ぐために、支払者(法人)に源泉徴収して納税する事を課しているんです。

漏れなく適正な確定申告をしてもらいたい!

もう一つ理由があります。

支払う報酬・料金に対して源泉徴収されている額は、申告納税する時の税額より少し多めに設定されているんですね。

なので、源泉徴収された側の個人(フリーランス)の方々、漏れなく適正に確定申告して「所得税の還付を受けよう!」という動きに繋がりますよね。

取引する当事者である法人と個人(フリーランス)で取り決めていれば、源泉徴収しなくてもOKでは?

チャンと所得税を納税するのが一番大切なのだから、どちらが納税してもイイじゃないか!って思いませんか?

当事者である法人と個人(フリーランス)で取り決めて、個人(フリーランス)が確定申告でまとめて適正に納税するなら、それでもイイじゃないかと。

答えは・・・
NGなんですよね^^;。。

確かに納税するのは大切なんですが、今回書いているケースの場合は、「納税する」ではなく「法人が源泉徴収して納税する」なんです。所得税法で決められているのです。

もし?!
当事者である法人と個人(フリーランス)で「個人(フリーランス)が適正に所得税を納税する」という内容の契約書を交わしたとしたら、どうでしょう?

答えは・・・
やっぱりNGなんですよね^^;。。

たとえ当事者達がOKでも契約書の有効性は確保されないんです。法律で義務付けられている事に反してるから、、ダメなんですよね。。

例:法人が源泉徴収せず、個人(フリーランス)が適正に納税した場合って?!

法人は源泉徴収していませんが、個人(フリーランス)が適正に納税しています。

「所得税を納税している」という点においてはOKでしょう。

でも?「法人が源泉徴収して納税する」という、所得税法に沿っていないですよね。

なので、これが判明した場合・・法人がこの分の所得税を納税しなければいけなくなるんです。

しかも、それらが判明するのは・・過去になってますよね。
なので、、延滞税や加算税を課せられちゃう恐れもあるのです。。(場合によっては、過去2年間さかのぼって該当するものについて、、納税しなければいけなくなる可能性も・・)

さて、ここで「ん?おかしいぞ?」って思いませんか?
個人(フリーランス)の方は、適正に納税しています。なのに、法人も納税する事になれば・・同じ案件について二重に納税してるじゃないか?!と。

そう、この状態では二重に納税しています。
なので、法人は支払先である個人(フリーランス)へ所得税を請求する事態になるワケです。(但し、、その請求に応えてくれるか?は分かりませんよね。。その個人(フリーランス)の方は納税しているのですから・・)

その個人(フリーランス)の方が、心優しい方で請求に応えてくれた場合、その個人(フリーランス)の方は、税務署に所得税を過払いしたので「還付申請」します。

税務署でその事態(所得税を過払い)が確認出来れば、その個人(フリーランス)の方に還付します。そうすれば、一先ず同じ案件での二重納税は解消されます。

しかし・・どうです?
むちゃくちゃ面倒臭いことになっちゃうでしょ?

あ、「これが判明した場合・・」って書きましたが、、どうやってこれらが判明するか・・大体見当ついてますよね?

ハイ、税務調査です。。

まとめ

いかがだったでしょうか?

重ねて書きますが・・
今回書いた事は「法人と個人(フリーランス)の取引で、法人が個人(フリーランス)へ支払った報酬・料金に対して発生する所得税について、法人が源泉徴収して納税する必要がある場合」です。

源泉徴収する必要が無い報酬・料金もありますから、先ずは支払った報酬・料金が源泉徴収する必要があるのか無いのか。それをキチンと調べて下さいね~。