“ひとり法人”は、社長さん一人で会社を経営しているので、売上に直結する実務が最優先の日々だと思います。
経理業務など”間接業務”は何かと後回しになりがちでは?そう、忙しいからこそ経理業務を把握する良い習慣がないか?!これが今回の日記です。
「売上に直結しない経理状態を知る」が売上アップのカギに
私の周囲にもひとり法人さんは多くいらっしゃいます。皆さん、ご自身の武器を最大限に駆使して事業を展開されています。経理業務そのものはお金を生みませんが、ご自身の会社の経理状態を把握しておく事は会社を経営していく上でとても大切な事です。
経理業務って、仕事の性質上、数字と向き合います。数字=正確でなければならない。こういうイメージが強くありませんか?確かに、正確の度合いは高いに越したことはありません。
しかし、いつでもどんな時でも”100%正確でなければならない”という事でもないと思うんですよね。経理業務も他の業務と同様に「ツボを押さえる」のが大切だと思うのです。
経理関係書類、整理する習慣をつけよう!
主な経理関係書類というと、下記みたいな感じでしょうか。
- 売上&仕入等の請求書
- 経費の領収書やレシート
- 税金関係の書類や納付書
- 業務契約書
- 法人名義で購入・賃貸した際の保証書や契約書
毎月発生する書類、溜めないようにしたい!
ひとり法人さん。と言っても、扱う量(お金)はそれぞれ違うと思います。「え~!そんなに沢山扱ってるの~!?」ってひとり法人さんもいらっしゃいます。※「扱う量が多いから良い・少ないから悪い」ではありませんからね。
「毎月発生する書類、溜めないようにしたい!」ということに関しては、むしろ沢山扱っている場合の方はあまり心配していません。
と言うのも、沢山扱っているって事はその分それに伴って請求書なども多く発生します。沢山あると、”溜めたらヤバい事になる”と、容易に想像がつくので、こまめとまではいかなくても~一先ずは定期的に整理しておかなければ!という気持ちになれます。
むしろ私が気になるのは、扱う量(お金)がそんなに多くない場合です。
沢山扱っている場合と真逆の心境になるような気がするのです。そんなに扱っている量(お金)が多くないので、それに伴って発生する請求書もそれなり。”ま、これくらいの量なら大丈夫だろ~”という気持ちになる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これ、特に設立したばかりのひとり法人さんにお伝えしたい!
扱う量(お金)が少なくても、請求書等の書類は溜めずに毎月ごとに分けて整理する習慣をつけて欲しいんです。発生する請求書、そんなに多くなければ整理するのに時間はかかりません。「時間がかからないから、後で整理すればいいや」ではなく「時間がかからないんだから、さっさと整理してしまおう」という方に動いて欲しいんです。
1ヶ月分なら少なくても、それが数カ月分溜ってしまうと・・・それを整理するのはそこそこ時間がかかってしまいます。
“良き習慣”は強みになり、”悪しき習慣”は弱みになる!
「整理する」という行為、私は2つの意味を感じています。
- 整理する事で、環境が整います
- 整理する事で、頭の中が整います
整理って、睡眠に似ている部分があるな~って思うんです。
睡眠は、その日起こった事を脳が整理する機会でもあるらしいですね。完徹は論外として、寝不足が数日続いた状態で動いていると、寝不足なので眠いのは当たり前ですが、脳の整理も不十分なので、記憶違いや判断ミスなども起きやすくなります。
書類の整理にも、そういう要素があると思います。新ためて書類を確認する事で動いているお金や案件を請求書などの書類で可視化出来、脳の中で更に深く認識します。それ以外にも、請求書を発行した時や受け取った時には気付かなかった記載ミスなどの不備に気付くかもしれません。
その人の性格にもよるんでしょうけど、法人を設立した最初の頃から、経理関係書類の整理を溜めずにしていく習慣が付いていると、取り扱う量(お金)が多くなっても整理し続けていけます。量が多くなるので、以前より整理する時間がかかるかもしれませんが、整理する大切さを自覚していれば、その時間は必要な時間として捉えます。
更に言うと、必要な時間として捉えるからこそ、売上を生む直接の実務と上手にバランスを取るようにもなると思うのです。いよいよ、自分一人では実務と経理を兼務するのが難しいとなった場合、的確に判断し、自分の右腕となるような実務スタッフや経理スタッフを雇用する事も検討するでしょう。
これは、私が前職で勤務していた会社の代表にも当てはまりますね。前職の代表も設立当初は、ひとり法人としてご自身で実務と経理をされてましたからね。
少なくとも月に一度、”書類やレシート&領収書を整理する日”を作る!
その法人さんによって、1ヶ月の中で忙しい時期と割合時間を取りやすい時期、こういうサイクルというか波というか、そういうのってあると思うんです。
わざわざ忙しい時期に、間接業務である経理関係の作業を無理やりする事はナイと思います。割合時間を取りやすい時期、こういうタイミングを上手く活用すればイイと思いますよ。但し、確実に習慣付けるようにして欲しいです。
「経理業務、これはこれで大切な事だ!」その意識を持って貰えれば、もしそれまで割合時間を取りやすい時期がそうで無くなっても、別のところでチャンと作るようにすると思うので。
毎月のお金の動きを「おおよそ」でいいから把握しておく!
おおよそ、なんて言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、イイんです。
勿論、帳簿は正確でなければいけません(笑。しかし、いつもどんな時もその帳簿を持ち歩くワケにもいかないでしょう。ノートパソコンに正確な情報が入っていたとしても、お金の動きを確認したい時、確認しなければいけない時、加えて言えば、それを即答する必要がある時、いつでもノートパソコンがあるとは限らないかもしれません。
1円単位の精度で確認を要する場合は、それなりの時間や環境の中が多いと思います。そういう場面ではなく、常にその月のお金の動きを「おおよそ」で把握しておけば、何か起こった時に焦らずにイメージ出来ます。どの程度の単位で把握しておけばイイのか?10万円の単位まで一先ず把握しておけば、”おおよそ”と言えるのではないでしょうか。
おおよその把握。どんなやり方でも構いません。その方が把握出来さえすれば良いのです。
例えば、帳簿や法人口座の通帳(ネット銀行なら、PCやスマホで取引履歴など)を、毎日一度は見るとかでもOKだと思います。「毎日見たって、毎日お金が動くワケじゃないから」?いいんです。動く動かないではなく、お金の流れや状態を把握する事が目的です。毎日見る事で頭の中に強く記憶されます。見るだけなので、そんなに時間はかからないでしょう。勿論、その日お金が動けば当然見る必要があるとは思いますけどね。
まとめ
今回の日記は、私自身の経験もあるのです。
前職で経理を担当した時は、動いていたお金も億単位でしたし、その分案件も多かったので、毎日確認と把握が必要でした。ま、当たり前ですよね。
そして、勤務している会社だったので、怠けや油断が原因の経理的ミスは許されませんでした。私のミスで取引先やスタッフに迷惑を掛けてしまう事にも繋がるので。経理の担当になった頃は、不慣れが原因してそういう失敗もしましたけどね。。
しかし、自身が起業した時、前職とは打って変わって取り扱う量(お金)は超少ないし、事業の流れも超シンプル(笑。
正直言って、怠けてしまいましたね。。設立した初年度は、本当に少なかったので怠けた悪影響は出なかったのですが、翌期から少しづつ取扱う量(お金)も増えていきました。
これ自体は良い事なのですが、それでも前職に比べれば全く比べものにならないくらいの規模です。前職であれだけ毎日確認と把握をしていた男は別人だったんじゃないか?!と、思うほど確認と把握の習慣付けを怠ってしまった。
取引先さんに、これらの助言をしているクセに、偉そうに言ってる本人がそれをしていなかったという。。
ハッとして、それ以降はすぐに改善しました。今は大丈夫です!チャンと習慣付けされております(笑。
習慣付けさせる前とさせた後、やはり違いますよね。己の会社ですから、己が一番把握してないとダメです。そんな当たり前の事を新ためて実感した事でもあったのです。