銀行の法人口座の開設が年々厳しくなっている中、連絡先は携帯電話、フリーメール、会社のWebサイト無し、更に資本金は1万円という厳しい条件の中、「銀行(メガバンク級の地銀)でスムーズに法人口座の開設ができた」という事例を紹介します。
個人事業主として活動していた知人が、今年法人を設立しました(個人事業主⇒法人化するのを「法人成り」と言います)。法人を設立したら、色々な申請や準備がありますが~法人口座を構えるのも、そのうちの1つでしょう。
法人口座の開設が厳しくないネット銀行をお勧めした理由とその3つのメリット
知人から「会社のWebサイトなし、連絡先は携帯、メールアドレスはフリーメール、資本金は1万円でも~銀行口座開設できます?」と聞かれたのでネット銀行を勧めたんですね。
- 店舗型の銀行より開設条件が厳しくない。
- 振込手数料が超安い。
- 24時間利用可能。
という3つのメリットがあるので。
すると知人、「いやぁ~通帳を持ちたいですよね~」だって^^;。。あ~そうですか(笑。であれば、店舗型の銀行で開設せねばってコトになるよね。
店舗型における法人口座開設は、犯罪抑止のため年々条件が厳しくなっている
ここ数年、店舗型の銀行は、法人(特に資本金が少額の小規模法人)の口座開設条件が厳しくなっています。オレオレ詐欺やクリック詐欺などの犯罪が頻発し被害も甚大なので、それら犯罪の温床になるのを懸念しているのも大きな原因の1つだと思います。
健全に事業をやっていこうって思っている事業主にとっては、超迷惑な話。。
とはいえ、店舗型の銀行で法人口座が開設出来ないという事ではナイのです。会社のWebサイトが無くても、資本金が少額でも、連絡先が携帯、メールアドレスがフリーメールでも、キチンと説明してそれが銀行側へ伝われば~開設させてくれる銀行だって少なくないハズ!です。
口座開設を申請する際に、銀行へ提出するモノ&書類は何を揃えればいい?
銀行で法人口座を開設申請する際に必要なもの
- 届出印(代表印でも可)
- 法人代表者確認の身分証明証
- 名刺
- 登記簿謄本(原本を提出し、銀行側でコピーしてもらい原本は返却される)
- 届出印印鑑証明書(代表印を届出印にするなら、法人印鑑証明書)
- 定款(コピー可)
- Webサイト情報や会社概要書など
上記の持参&提出が必要になります(銀行によって若干の違いはあるかもしれません)。
法人登記した住所の最寄り銀行へ口座開設の申し込みに行く
そして、気を付けて欲しい点があります!
口座開設を申請する銀行は、本店住所の最寄りにある銀行にして下さい。銀行には地域としての管轄みたいなものがあるので、本店住所と全然違う地域だと優しく断られます(笑。
法人口座を開設する銀行に、既に代表者の個人口座があると有利!?
もう1つ。
代表者が個人名義の口座(普通でも当座でも)を持っている銀行だと、若干?!銀行側に安心して頂けるかもしれません。法人としては初めての口座開設ですが、代表者個人としてはすでにその銀行のお客ですからね。
会社概要書、これを最大限に利用して銀行にアピールしよう!
会社概要書。例として下記に書いてみました。
主たる取扱事業
これから法人がやろうとしている事業内容を事業ごとに書きます。すでに開始している事業があれば、取引先等も含めその旨を記載します。
会社の環境について
- 業務の開始時期など、現状で分かっている事をなるべく具体的に記載します。
- 現状で、社員の有無も記載します。
- 連絡先がスマホやフリーメールなどであれば、通信手段として問題無く事業が出来、銀行との連絡も確実に行えるという事を記載します。
- 資本金が少額(10万円以下)であれば、少額の資本金でも問題なく事業を始められる理由を記載します。
会社情報
- 本店住所
- 社名
- 代表取締役氏名
- 連絡先(電話番号、メールアドレス)
- 代表取締役自宅住所
こんな感じでしょうかね~。
開設した口座にどんな入出金が予想されるのか?という事も必要な提出情報ですが、銀行発行の口座開設申請用紙に記載する欄があるので、会社概要書への記載は不要としました。
実際に口座開設申請をした場合の会社概要書のサンプル例
では、私が知人と同じ状況で銀行の口座開設申請をした場合、会社概要書を下記のリンク先に記載しました!
※会社概要書に記載された企業情報、事業内容等は、サンプルのため架空の内容となっております。
事業への気持ちや覚悟、そして各種必要な情報を揃えればわかってもらえる!?
例として上記に書いた会社概要書、如何ですか?これ、知人も同じような感じで記載して、銀行(メガバンク級の地銀)へ口座開設申請へ行き、他の必要書類と併せて提出しました。
結果は、1時間半くらい待ったそうですが~無事に当日付けで法人口座を開設出来たそうです。
窓口の行員さんに開設できた理由を尋ねてみたらこんな答えが返ってきた!
口座を開設したくて銀行へ行ったので、それが叶って良かったワケですが~知人は窓口の行員さんに聞いたそうです。
「法人の新規口座は開設するのが厳しいと聞いていました。私の法人はWebサイトも無いし、連絡先は携帯でメールアドレスはフリーメール、オマケに資本金は1万円です。どうして即日で開設を許して頂けたんですか?」と。
知人に対して行員さんが実際に答えた内容を下記に簡単に要約すると・・・
- おっしゃる通り、法人様の新規口座開設は審査が厳しくなっております。
- お客様と同じような環境の法人様も多く、残念ながら口座開設をお断りさせて頂くこともあります。
- お客様については、会社様の詳細な情報と、今後の事業展開について記載頂いた会社概要書を提出頂きました。。
- 実は、こういう書類(会社概要書)をご提出して下さるお客様は多くないのです。
- 申請時にこういう書類(会社概要書)を頂けると、それが信用するに値すると判断すれば、出来る限りの応援をさせて頂きたいと思います。
- 今後、お客様が健全で順調に事業を展開されるようお祈りしております。
えーー!?本当に行員さんがそんなコト言ったんですか~!?って、知人にツッコんでしまいました(笑。
一語一句同じではナイとの事でしたが、おおよそ~そうおっしゃったそうなんです。いや~驚きました。
会社の規模や環境は確かに大切な要素、しかしあなたの事業への熱意で道は開けるかもしれない!
銀行とは言うまでもなく、金融機関であり~厳しい管理の下で事業展開しているワケです。それでも、知人のような決して豊富&華麗な環境では無い法人でも~可能な最大限を揃えて伝えれば、道は開けるのかもしれませんね~。
銀行だって、人が運営しているんですからね。気持ちと覚悟と必要な情報を提示出来れば~私も含めて小さな法人だって堂々と事業していけるかも?!って気になりますよね。
開設条件が厳しい法人でも、実際メガバンクに口座開設ができた事例のまとめ
知人は、めでたく法人口座を新規開設出来ましたが、開設条件が厳しい事に変わりはないと思うので、その都度~開設しようとする銀行の求めている事や、こちら側の事情などよくご相談された方がいいと思います。
知人、最後に言ってましたよ。
「俺の醸し出す知的で誠実な雰囲気が一番の勝因ですね」って(笑。