福利厚生費。経理業務をする上で、よく耳にしたり目にする言葉です。

「福利厚生とかって…大企業だけでしょ??」なんていう印象を持ってるかもしれませんが、中小零細企業にだって福利厚生費はチャ~ンと経理計上出来るのですよ^^v

福利厚生費の意味や適用条件を知り、各法人や個人事業主(従業員がいる場合に限る)に合った利用をして、職場環境の向上や従業員の福祉・慰労に役立てて欲しいと思います。

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福利厚生費って具体的にはどういう費用のことをいうのか~?

  • 趣旨:従業員の慰労や福祉を向上&維持させるための経費。
  • 対象:従業員&役員(事業主は基本的に対象外)。
  • 条件:対象となる従業員や役員全員に対して平等に適用・支出しなければならない。
  • 限度金額:特にいくらまで、という限度額(下限・上限含め)はない。
    ※社会的常識の範囲を超えた金額の場合、認定されない恐れがあるので要注意。

という感じですね~。一番、大切なのは「従業員や役員全員に対して平等に適用・支出しなければならない。」というトコでしょうね。Aさんには適用・支出するけど、Bさんには適用・支出しないというのはNGという事です。

また、勤続年数や役職で、適用内容や支給額に差があるのもNG。そう、「平等」である事が条件なのです。

福利厚生費にはどんな種類があるの?

法律に基づいて認められている「法定福利費」と、会社で任意に決められる「法定外福利費」の2つがあります。

  • 法定福利費は、各種保険料が主になります。
  • 法定外福利費は、資格取得費用・社員全員での食事・社宅や住宅の手当・報奨金の支給・社員旅行など。

福利厚生費・交際費・給与、それぞれの適用には要注意!

そう、これ間違いやすいケースがあります。
例えば、社員食事会。これ、全員が参加している一次会は、まず大丈夫でしょう。でも・・・二次会以降になると、福利厚生費としては認められないかもですよね。

その2次会が従業員すべてが関わっているかがポイント

まず、社員の慰労会としての体は一次会で十分に満たしているでしょう。そして、二次会以降~全員が参加しているか?というね(笑。そう、全員に対して平等に支給!が福利厚生費の条件なのです。そう考えると~二次会以降は、交際費になるんでしょうかね。

特定の人を対象とするようなものは福利厚生費とは異なる

そして、報奨金や手当もそうです。永年勤続の報奨金って、どう思います?
15年勤続表彰であれば、15年勤続しなければ表彰されないけど、勤続すれば全従業員が表彰される資格があります。時系列としての差はあるかもしれないけど、全員が対象になっているから福利厚生費として経理上計上してOKだと思います。

でも、営業職のスタッフが売上目標をクリアした際の報奨金や手当、これは、営業職である特定の人が対象です。こういうのは、福利厚生費ではなく給与として支給することになりますよね。

経理業務をする上でも、間違いやすいケースもあるので、よく確認して下さいませ~。

「福利厚生」という言葉の由来とは?

ところで思ったことありませんか?「福利厚生」、意味は分かっているけど…この言葉はどういう由来なの?って。

福利と厚生。言葉を2つに分けてみました。

まずは、福利です。『幸福と利益を守るため』という、幸福の「福」、利益の「利」、ここから来ているのでないかな?って。

次に、厚生です。これ、調べたら…中国「大禹謨(だいうぼ)」という古典に書かれている内容から来ているのでは?という事が分かりました。

その中に、臣下が帝に進言した言葉として、

  • 「君主(国王)自身の徳で感化させて、人民の徳を正すこと」という意味の正徳。
  • 「物資の流通をよくして、人民の使用に便利にすること」という意味の利用。
  • 「人民の生活を厚(ゆた)かにすること」という意味の厚生。

この3つの事業がよく調和しなければいけない。と、書かれているです。

そう~なんです。厚生とは、「人民の生活を厚(ゆた)かにする」という言葉から来ているようなのでした。

いにしえの日本は、中国から沢山のモノや事が伝わってきましたが、これも中国の古典から来ていたのか?!って少々驚きました^^;

まとめ:福利厚生費の趣旨や条件を理解して、有意義に利用しよう~!

従業員や役員の心身ともに健康な環境を維持し、慰労するための福利厚生費。

冒頭にも書きましたが、福利厚生とは決して一部の大企業だけが利用するものではありません。利用できる範囲や頻度は、それぞれ違うかもしれませんが、可能な中で最大限有意義な利用をして欲しいなって思います。

仕事仲間って、その字の通り~仕事という共通項で集まっている集団です。最低限、仕事をする上での関係が築けていればOKだと思うんですよ。

でも、仕事だけでの関係では足りずに、時には皆んなで食事をして親睦を図ったり、皆んなの職場環境が向上される一助に繋がる目的で、福利厚生費として利用されるってのは、嬉しい事でもあると思います。

え?
はい、そうですね。ご利用は計画的にお願いします^^ゞ