数日前、知人からこんなメールが来ました。
「社用車で外回りをしてて、路駐した時に駐車違反のキップを切られてしまいました。トホホ。。でですね・・・駐車違反の反則金って、、経費で落とせたりします??ダメ元で教えて下さ~い」
な、なるほど~^^;。。
この知人、都市部ではなく地方在住の方です。都市部でも社用車は使いますが、地方は車が仕事も日常生活も大切な移動手段です。社用車を使用する頻度は毎日なんだろうな。
という事で、今回の日記は「社用車で業務中に交通違反をした場合・・・反則金は経費で処理出来るのか?」です!
会計上”経費”としては可能、税務上”損金”としては不可。なんです!
そうなんです。
とは言え・・会計上”経費”としては可能、税務上”損金”としては不可。とだけ言われても分かりにくいですよね。
「経費」は会計上の用語です。
業務に関係して出費したものについて会社のお金で支払ったり、社員が一時的に立替えた業務に関係する費用を、立替えた社員へ精算したりしてますよね。
今回の交通違反(駐車違反)が、業務中に仕方なく起きてしまった事であれば、経費としては落とす事を可能としています。
しかし~!?
経費で落とした反則金を、税務計算において”損金”として計上する事は不可なんです。
「損金」は税務上の用語です。
税務計算する上で「このお金は利益から差し引いてもOK」と認められているお金です。
法人税(国税・地方税)って、利益の額に応じて課税されます。もし、反則金を”損金”として計上した場合、その金額の分だけ利益が減りますよね?
利益が減ると、その分課税額も減ります。業務上、損金というのは「売上を立てる&利益を得る&事業の安定操業に必須」という認識だとすれば、交通違反の反則金は損金という認識とは違う。という事から、損金算入はNG!だと思うのです。
損金として会社の収益から差し引くのは不可。こういうのを「損金不算入」と言います。
経費と損金は、会計上と税務上の言葉の違いというイメージがあり、実際に共通している事も多いのですが、完全にイコールではナイのです。
※「経費」「損金」「費用」について、以前日記に書いたことがあるので、ご参考までに。
「費用」「損金」「経費」の意味と違いって?わかりやすく徹底解説!
会社がどういう方針なのか?この方が重要だったりもします!
反則金を経費で落とすのは可能か?不可能か?という事もありますが・・・
これを会社がどのように認識し、どのように処理をするのか。これがある意味重要だと思います。
前項で、税務上”損金”として計上するのは不可(損金不算入)だが、会計上”経費”として計上するのは可能と書きました。
反則金のキップは車の所有者宛てではなく使用者宛てに切られる!
ですよね?
これ、所有者に違反キップが切られるとしたら…
友人の車を借りて運転している時に交通違反をしてしまった場合、違反キップが車を借りた友人宛てになってしまいます(苦笑。。こんなんダメでしょ?
反則金を経費で落とす事を奨励する会社・・・ナイと思います!
経費で落とす事、あくまで「可能」としているんです。
決して「OK」ではないのです。
反則金を積極的に経費で落としてたら、見方によっては交通違反を会社が認めている・奨励している、、な~んて事はナイでしょうけど、悪意を持って見ればそう見れない事もナイかなってね。。
そんな事を会社がするワケないですからね。
経費で落とした場合、その社員が「好んで交通違反をしたのではなく、業務のためにやむなし!」という判断の下だと思います。
今回の例のように、路駐で駐車違反をしてしまった場合、その付近に駐車場が無かったのか?など、確認もされると思いますからね。
経費で落とすだけではなく、その他の手段はないのか?
あると思います。
経費で落としても、損金では算入不可なのだから、反則金は個人で一旦支払ってもらい、それに相当する額分を給与に含めて支給するケースだってあるかもしれませんね。
只この場合、給与で支給されるので「所得」となります。その分の所得税が課税されるので、そこのトコは分かった上で処理する事になりますよね。
あ、役員の方は給与に含めて支給するのはNGかな。役員の方は給与ではなく役員報酬として支給されているので。
まとめ
こういうケースは、日常茶飯事というものではナイと思います。てか、これが日常茶飯事だと困ります(笑。。
交通事故は勿論ですが、交通違反のキップを切られないよう、十分な時間的余裕や駐車場の確保など、スムーズな車の利用が出来るよう努めるのが大切だと思います。