私の周囲には個人で事業をされている方や法人を設立して事業をされている方が多くいらっしゃいます。

今回は、経理という枠を超えて~これから法人を設立して事業をしようと考えている方から聞かれる質問について書こうと思います。

割と多く聞かれるのが「法人を作るのって、多分自分で作った方が安く出来ますよね?だとすれば~設立の手続き方法を教えて欲しいです」という質問です。

法人を設立するには、いくつかの手続きを段階的にしていき~それらが無事に完了して、めでたく設立となります。

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「定款の認証」、これがなかなか面白い内情になっているのですよ~

以前の記事で、個人と法人の事業形態の違いについて書きました。その中の「法人で事業を始める場合」という見出しで、法人を設立するプロセスを簡単に書いたんですね。
個人事業主と法人、これらの事業形態の決定的な7つの違いとは!?

法人を設立するための最初の手続きとして、「定款の認証」というのがあるんです。

定款というのは、会社の情報が色々記載してある書類で、会社の解説書であり、もっと言えば…会社の憲法。そう言ってもいいかもしれない。

公証役場で認証を受けた定款は、法務局で登記申請書類と一緒に提出し、登記手続きがされます。そう、公証役場で認証された定款が無いと、登記は出来ないのです。

定款の認証には2つの方法があり、そこが運命の分かれ道!

定款の認証に必要な法定費用は以下のようになっています。
※2015年6月現在

紙による定款の認証

文字通り、作成した定款を印刷し、印刷した用紙を公証役場へ持参して認証を受ける方法です。

  • 定款認証手数料:50,000円
  • 収入印紙代  :40,000円
  • ※印刷した定款の用紙に貼る。

  • 謄本発行代  :約2,000円

※1ページ250円。通常は2通発行する。
————————————————–
合計      :92,000円

電子定款による認証

作成した定款を電子化(PDFファイル)し、認証を受ける方法です。

  • 定款認証手数料:50,000円
  • 謄本発行代  :約2,000円

※1ページ250円。通常は2通発行する。
————————————————–
合計      :52,000円

上記、定款の認証を受ける2つの方法です。

違い、分かりますか~?
そう、電子認証の方が安いんですよね。電子化している分、収入印紙代が不要なのです!40,000円の違いは大きいでしょ?これを見れば、全員が電子認証を選ぶと思います。

電子化された定款を作成するには業界のプロが持つ専用ソフトが必須

しかーし!
これ、一般の人には…なかなか出来ないんですよ~。定款を電子化して作成するには、専用のソフトが必要なんです。すでに持っているのならOKですが…恐らくプロ(税理士や行政書士)でない人は持ってないでしょうね。だって、、日常の経理業務とかで使う必要ナイから^^;

じゃ、このソフトを持つとしましょう。
このソフト(証明書含め)、買い揃えるのに…約70,000円かかります(笑。

そう~なんです。
ソフトを購入して電子定款を作成すると・・・紙による定款の認証より20,000円高くなってしまうという、非常に悩ましいコトになるのです。

設立の手続きは、その道の専門家に依頼した方が得策の場合も?

じゃ~どうすればいいのか。
私なら、プロに依頼します。法人の設立手続き全部でもいいし、定款の認証手続きだけでもいいし。

但し、法人の設立手続き全部をプロに依頼した場合、「法人設立手数料」を取られるので…全体の費用としては、全部自分で申請手続き(紙による定款の認証)をした場合より高くなるかもしれません。

法務局の登記申請費用[*1]は、自分でやってもプロがやっても収入印紙代150,000円です。プロに依頼した際、プロがどれくらいの手数料を取るか?それによって全体の設立費用は変わってきますね。

[*1]
法務局への登記費用は150,000円ですが、登記申請する際、法人の印鑑登録(法人印)をするので、事前に法人印を作成&用意する必要があります。法人印代として約10,000円かかるでしょう。一緒に社印(角印)も作成した場合は約15,000円~20,000円かかると思います。

では、法人(会社)を設立するのに金額的に一番安く済ませる方法はどれなの~?これです!

  • 定款の認証はプロに依頼する。
  • 法務局への登記申請は、自分で行う。

これでやれば、全部自分で行う&全部プロに依頼する。より、安く設立出来ると思います。定款の認証をプロに依頼した場合、当然手数料を取られますが、得する40,000円を超える手数料は取られないと思うので。

まとめ:餅は餅屋ではナイけど…法人の設立手続きに専門家を活用するのは吉!

誰かに何かを頼めば「手数料」がかかりますから、もし自分で色んな処理や手続きが出来れば…自分でやってしまう方が安く済みますよね。

にもかかわらず、世の中は誰かが誰かに何かを頼んでいる。むしろ、それで成り立っている部分もある。専門的なコトは専門家に任せるのが一番!という裏付けなのかもしれません。法人の設立手続きも、それに近い感じがあるってコトでしょうか。

法務局への登記申請を自分で行うとしても、色々と作成する書類があります。何度か経験があれば別ですが、初めてやる場合は~結構苦戦するかもしれません。

それを理解し作成する時間や手間がかかります。その間、ご自身の事業活動は止まってしまいます。だから、「餅は餅屋」って言われるのかも?ですね^^;

今回は、経理の事ではありませんでしたが、法人を構えて事業する場合、必要な知識であり実務でもあります。ご自身で事業をしよう!と思われている人には、是非知っておいて欲しい事だったので日記としてお届けしました~。