従業員さんに支給する給与の設定についてです。
給与は、従業員がその会社で労働した対価であり、支給された給与で従業員は日常生活を営んでいます。
今回の日記、打合せで相手の方との会話で話題に上がった事にしたいと思います。一人でも従業員がいらっしゃる会社さんや個人事業主さんなら、関係ある話ですね。
給与は各種の条件が揃った時に昇給します。現状維持もあります。残念ながら減額になる事もあるでしょう。
昇給も現状維持も減額も、労使双方(会社と従業員)でよく話し合った上で行う大切な行為で、給与の設定と扱いには、細心の注意を払う必要があります。
注意を怠ると、場合によっては・・大切な人材を流出させてしまう恐れも多分にあります!
今まで在籍していた会社の給与、細かく設定されていた。ナゼ?!
私自身の事になりますが、新卒で就職した会社から前職まで何社か勤務してきた中で、支給されていた給与は、中身が結構細かく設定されていました。
特に新卒で就職した会社は、給与明細の設定が細かったですね。従業員も多かったので労働組合もありました。
- 基本給
- 年齢給
- 職能給A(一般職)
- 職能給B(技術職)
- 歩合給
- 役職手当
- 営業手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 家族手当
- 勤続手当
- 時間外勤務(残業)手当
- 夜間勤務手当
- 休日出勤手当
- 夜食手当
- 出張手当
- 出向手当
- 赴任手当
などなど。
これらは支給する項目で、反対に控除される項目も勿論ありました。
所得税、社宅控除、社会保険(厚生年金/社保)、労働保険(失業保険/労働保険)、労働組合費、勤怠控除(遅刻/欠勤)などなど。
上に書いた各項目は、全員が同じではありません。
各人が就いている仕事の種類や状況によって該当する項目が適用され、その金額も各人ごとに設定されています。
中には、同じ金額になるものもありますよね。例えば、年齢給とか役職手当とか。
AさんとBさんが同じ年齢であれば、年齢給は同じ金額だろうし、**1課と**2課の課長さんの役職手当は同じ課長職なので、多分同じ金額でしょう。
とはいえ、同じ課長職の**1課長と**2課長の給与が同じか?というと、それは違います。ま、そんな事は書くまでもナイですよね。。
勤務していた当時は、私自身今より激しく若輩者だったので、上記が記載された給与明細を見ても「ナンのこっちゃ分からない!」って思ってたような気もします。
当時若輩者の私にはよく分からなかった給与明細の各項目設定ですが、これら会社と従業員の双方にとって、とても必要な事だったんだな~って思います。
給与の設定を細かく分けていると利点があるのです!
ある日突然、”基本給が減る”というのは、かなり違和感を覚える現象です
基本給は言葉の通り、給与の「基本(軸)」になる項目なので、ここって増える事はあっても減る事はほぼ無い項目という印象が強いです。
ここが減る場合って・・・本人が会社に対して重大な不祥事を招いたとか、その会社の経営状態がかなり危なくなっている、とかくらいでしょうね。
基本給は、給与の「軸」です。
それが揺らぐと・・従業員の労働意欲に直接影響を及ぼします。
査定時期以外で、評価の良し悪しを表現するのに向いている”各種手当”!
では、基本給以外の各種手当はどうでしょうか?
ここがミソなんですよね!
各種手当は、その手当の趣旨によっては変動が可能です。可能と言うより、むしろ状況次第では変動が必要になったりもするでしょうね。上記に書いた各種手当をもう一度見て頂ければ、何となく納得頂けると思います。
このように設定をそれぞれ分けておくと、その時の従業員が置かれている立場や状況に沿った給与内容に出来るんです。
小規模法人や個人事業主で支給されている給与設定、割りと大雑把な印象あり!
この項のタイトルを見て「いやいや、そんな事はない!チャンと設定を分けているぞ!」って思われた小規模法人や個人事業主の代表さんや経理担当さん、ゴメンなさい!
勿論、全ての小規模法人や個人事業主がそうだなんて意味ではありませんから。しかも、給与の設定を分けているのが”善”で、分けていないのは”悪”でもありません。
給与の設定は、その会社さんがそれぞれ独自に決めて運用しているものなので、異論を唱えるつもりはナイんです(笑。
小規模法人・個人事業主だからこそ、その状態に沿った形の給与体系は資金面でも吉!
私が知っているとある小規模法人さんの給与明細を例にします。
- 基本給
- 通勤手当
- 住宅手当
支給項目がこの3つだけだったんです。
控除項目は、それなりにチャンとしてました(笑。
これでも間違っているとは言いません。シンプルな内容でとても見やすいっちゃ~見やすい。でも、この支給項目だと会社側にとって、結構悩ましい事になると思うんですよね。
給与は昇給だけではナイという視点からすると、基本給だけでは不十分
従事している業務の内容が変わったり、あって欲しくはないですが・・従業員の勤怠に緩みが出たりした場合、基本給しか無いと、基本給を触らなくてはいけなくなります。
基本給がガタガタと変動すれば、給与の軸が揺らいでしまいます。
例えば。
「精勤手当」という項目があればどうでしょう。
仮に基本給が30万円だとします。
そこで、基本給を28万円にし、精勤手当を2万円付けたとしたら。
キチンと勤務してくれていれば精勤手当は変動(減額)しません。実質基本給30万円と同じ状態です。しかし、勤怠に問題があった時には精勤手当を変動(減額)させる事が出来ます。
あ、「精勤手当は増減する」という事を前もって従業員に伝えておくのが大前提です。加えて、勤怠の問題というのが、会社側と従業員側の双方から見て納得出来るものでなくてはいけません。
遅刻を1ヶ月の中で複数回してしまったとか、本人の不注意が原因での欠勤をしてしまったりとか、明確に判断出来る事に限ります。
会社側の一方的な「気持ち的な印象」とかで変動させるのは絶対にダメです。もし、従業員が何故に減額されるのか?分かっていない場合は、チャンと説明するのも大切です。
こういう風に書くと、従業員は怠けるみたいな感じに取られるかもしれませんが、そういう意味ではないですからね。
人には波があります。良い波も悪い波もありますよね。
仕方無いトコロでもあるんでしょうけど、仕事に関してはあまり悪い波が続いて立ってしまうと会社の業績に影響しかねません。
特に小規模法人や個人事業主において、従業員一人あたりの存在度合いは大きい。
程よい緊張感を保つために、双方で納得した上で給与にそういう役割の一旦を担わせる事は間違っていないと思います。
必要な項目を設定し、旬なタイミングで評価に反映出来るような体系作りが吉!
以前には無かった技能を習得したり、営業で明確な成果を出したり、それらに対して会社側の評価を手当に反映させる事で、従業員に分かりやすく表現する事が出来るのも手当の利点だと思います。
良い評価を受けた従業員がそこで甘んずる事なく引続き精進すれば、会社にとっても直接間接含め良い事業運営に繋がって行くと思います。
上記に色んな「**手当」や「**給」を書きましたが、色んな手当を設定するのが目的ではありません。その会社さんに合った手当を設定し、有効に活用するのが目的です。
【雑にならず、複雑にして分かりにくくならず】を、求めていきたいですよね。
また、良い評価の表現として給与に反映するだけでなく、日常で直接その従業員と必要なコミュニケーションを図るのもとても大切です。
まとめ
小規模法人や個人事業主は、経営の小回りが大中企業より効くかもしれないけど、資金面では不安定になりやすい状況でもあります。
そんな中でもシッカリ査定し、必要な各種手当を活用する事で会社にとっても従業員にとってもプラスになる給与体系を作って欲しいなって思います。
せっかく素晴らしい人材がいてくれても、給与体系に問題や不備が生じると、それが従業員の不安や不信に繋がります。
会社に対する不安や不信は、働く気持ちや意識をダウンさせ・・素晴らしい人材を流出させてしまう事になる恐れだってあります。
褒める時には褒め、叱咤激励する時にはキチンと叱咤激励する。
人と人が直接コミュニケーションを取りつつ、言葉と態度の両面でバランスを取っていくというのが一番効果的で必要なのかもしれませんね。